Newsお知らせ

記憶力と歩行ペースが共に低下した高齢者は認知症にかかるリスクが高い
おぼろげな記憶と遅い歩行速度は、それぞれ認知症リスクの初期兆候です。最近の研究では、記憶力と歩行速度が共に低下することはさらに明らかになることが示されています。JAMA Network Open誌(2月5日付)で発表された調査結果は、二重衰退のある個人が予防的介入において価値ある標的になり得ることを示しています。

アメリカ国立高齢化研究所(National Institute on Aging)とアメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health)が主導したこの研究は、アメリカとヨーロッパで60歳以上の8,699人の参加者を対象として複数の長期老化研究を実施しました。

記憶リコールと歩行速度のテストで低下が見られない一般高齢者に比べ、記憶力と歩行速度の低下が同時に見られる人は、認知症の発症リスクが一般人の6倍以上になりました。 歩行速度の低下だけで認知症の発症リスクが約2倍になり、記憶喪失でリスクが3倍になります。

以前に科学者らは、ゆっくり歩きとスローゲイトなどの運動障害と認知症のリスクの増加を関連付けていました。ただし、筋骨格の問題が運動障害を引き起こす可能性もあります。 歩行速度と記憶力の低下を評価することによって、少なくともこれらの症状が部分的に神経変性によるものであることと判断するのに役立ちます。

研究チームは、記憶の評価と認知症の診断手順は研究によって異なり、これらは分析の限界であることを指摘しました。さらに、研究者らは、ベースラインの歩行速度と記憶能力が高い一部の参加者から得たデータを調整した結果、ベースラインが低い参加者よりも大幅に低下したことが見られました。

研究チームは報告書で、「記憶力と歩行速度が共に低下した高齢者は、認知症の発症リスクを増加させる可能性があるため、この問題にさらに注意を払うべきです。これには、心血管および代謝の危険因子の評価が含まれます。」と述べました。「彼らは、予防的または治療的介入の対象となるターゲットグループかもしれません。」

研究チームの次の仕事は、なぜこの二重低下が認知症に発展する可能性が高いのか、そしてどのように発展するのかという根本的なメカニズムをさらに研究していくことです。