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アスピリンやブローフィンに比べ、NMNはマウスの炎症を抑制する。
原文网址:https://www.nmn.com/news/nmn-stifles-mouse-inflammation-comparable-aspirin-ibuprofen
抗炎症薬と同様に、NMNを持ってマクロファージと呼ばれる免疫細胞を処理することは、ガンとインスリン抵抗性を引き起こす慢性的な炎症を抑える。
ハイライト:
・ NMN治療はマクロファージと呼ばれる免疫細胞の炎症反応を軽減する。
・ この分子を補うことで、COX-2などの炎症関連タンパク質の形成も抑制できる。
・ COX-2の蓄積を抑えることにより、NMNは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)のように炎症を標的にする。
悪循環では、関節などのような体のどの部位の炎症も免疫細胞であるマクロファージを活性化させる。マクロファージは炎症誘導物質を多く分泌し、慢性炎症を誘発する。この持続的な炎症は、インスリン抵抗や血管にプラークが蓄積するアテローム性動脈硬化などの病気を引き起こす。この有害チェーンに対抗するために、アスピリンやブリーフィンなどの非ステロイド性抗炎症薬が使われている。しかし、非ステロイド抗炎症薬を長く服用すると、腸出血などのような副作用がある。したがって、有害なNSAID反応を避けるためには、持続的な炎症をもっている患者にとって、より安全な方法を見つけることが非常に重要である。
鄧氏と同僚の研究によると、マウスのマクロファージを500µMのNMNで治すと、タンパク質や代謝副産物など炎症を含む関連分子がたまる。清華大学が『分子生物学フロンティア』で発表された研究により、NMNはマクロファージの炎症反応を抑制する。今後の臨床研究では、NMNが人のマクロファージの持続的な炎症に対して調整作用があると研究者が確認できれば、この分子を補うのはNSAIDs副作用を避ける方法の一つかもしれない。
炎症は代謝副産物の豊富さを変える
これまでの研究では、NMNを投与すると、噛歯動物における様々な病気の進行を止めると示した。そこで、研究チームは、NMNを全身の炎症に対抗する能力を調べることにした。NMNと炎症反応については、この分子を使って長期治療を行うことで、マウスの脂肪組織の炎症を抑えることがすでに証明された。NMN治療がマクロファージの炎症反応への影響についての理解は、人々がNSAIDsの代わりに、またはNSAIDsと組み合わせて一般的な炎症のためにそれを使うかどうかを判断するための重要な出発点である。
研究を始めるために、研究者は炎症期間のマクロファージの周りの代謝副産物分子(代謝物)レベルの変化を調べることにした。マクロファージの炎症状態を活性化させるために、清華大学の研究チームは、リポ多糖類という細菌大分子を免疫細胞に適用した。炎症刺激前後の代謝物を測定したところ、458個のうち約22%の分子が増加し、約23%が減少した。
鄧氏と同僚はNAD+(測定された代謝物の一つ)のレベルの変化に特に興味を持っている。リポ多糖の炎症が刺激された後、そのレベルは大幅に下がっている。炎症に伴うNAD+のレベルの低下は、NAD+の増加が炎症過程にどのような影響を与えるかという問題を引き起こしていた。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34295923/ 炎症は、NAD+を含むマクロファージの代謝副産物分子(代謝物)のレベルを変える。左の図の点はマクロファージの代謝物を代表している。炎症が起こした後、レベルが低下するのは青、上昇するのは赤、変化のないのは黒と表記される。代謝物のNAD+レベルは右の図のように表示される。健康なマクロファージ(青い枠)では、NAD+レベルが炎症状態(赤枠)よりもはるかに高い。
NMNは炎症代謝物の特徴を逆転させる
それから、鄧氏たちはNMNと炎症を誘導するリポ多糖を用いてマクロファージを治療して、NAD+を増加させれば炎症が抑制されるかどうかということを研究した。NMNがマクロファージのNAD+レベルを確実に高めたことを確認した後、炎症に関わる代謝物レベルの変化をNMNが拮抗できることを明らかにした。つまり、炎症による代謝物の変化を部分的に逆転させるのである。これらの結果はNMNを補足すると、炎症を抑制できることを示している。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34295923/ マクロファージのNAD+レベルは炎症中に低下したが、NMNを補充するとNAD+が回復していく。この図では、健康なマクロファージ(青い)、炎症が患うマクロファージ(赤い)、NMNのみで治されたマクロファージ(灰色)、NMNで治療される炎症マクロファージ(黒い)のNAD+レベルを示している。炎症はNAD+レベルを著しく下げるが、NMN治療でNAD+を回復させる。
NMNは炎症に関するたんぱく質のレベルを回復させる
NMN治療によって炎症が抑制させることを確認するために、鄧氏らはその後、炎症に関わる蛋白質のレベルを測定した。NMNを用いて治療した後、測定されたすべての炎症に関連する蛋白質のレベルが平均的に減少し、さらにNMNがマクロファージの炎症状態を軽減することをさらに証明した。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34295923/ マクロファージにNMNを補うと、COX-2を含む炎症のタンパク質のレベルを下げる。この図はNMN治療後のマクロファージの炎症のレベルの変化を描いている。レベルが下がると青、変化がないと黒、レベルが上がると赤と表記する。おそらく最も興味深いのは、アスピリンやイブプロフェンの非ステロイド性抗炎症薬の標的として知られているCOX-2炎症のタンパク質が減少した。COX−2レベルを低減することによって、NMNはNSAIDsと同様の効果を示した。
NMNはNSAID標的タンパク質の蓄積を抑制する
鄧氏らはさらに解析を行い、NMNがタンパク質COX-2のレベルを抑制することを明らかにした。これは炎症や痛むの原因となる酵素であり、NSAIDの標的として知られている。COX−2レベルを抑制する上で、NMNは有害な副作用なしにNSAIDsの一部の分子活性を再現できる。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34295923/ NMNはCOX-2を標的にして炎症反応を抑制し、それにより複数の炎症関連タンパクの蓄積を抑制する。NMNはCOX-2の蓄積を抑制し、プロスタグランジン2 (pge2)などの炎症関連タンパク質の蓄積を抑制する。これらのタンパク質の蓄積を妨げることで、NMNはマクロファージの炎症反応を抑制する。
NMN用量と効果
それで、どのようにNMNを取るのがNSAIDを長期的に服用するより安全かを知っているのでしょうか?ある研究によると、NMNを補充することで、ランナーの酸素利用率が最高で1200ミリグラム/日に達することができ、耐久性がよく、副作用もない。他の2つのNMN臨床研究は、インスリン感度の増強を示し、もう一つは毎日250 mgのNMNを服用して、筋肉が改善された。これまでの結果から、NSAIDに比べてNMNがより優れた耐性を持つ可能性が示されている。
将来NMNがNSAIDの代わるのか?
鄧氏らは「NMNを補充するとCOX-2が減少することを見つけました。これらの結果により、NMN治療が慢性炎症に対する有効な治療方法であることを示しています。」と述べた。
この研究はマウスのマクロファージで行われたため、、NMNがマクロファージ反応を抑制するかどうかを観測することが最大の障害である。次に人間のマクロファージ内でNMNを測定し、炎症を誘導する際のNMNの役割を観察する。同じ抗炎症作用が人間のマクロファージに転換すれば、長期的なNSAID治療が必要とする人々の間でNMNの能力を調べる研究が行われる可能性がある。そうしてこそ、NSAIDのかわりNMNを使うことを真剣に考えはじめる。
参考文献
Liu J, Zong Z, Zhang W, Chen Y, Wang X, Shen J, Yang C, Liu X, Deng H. Nicotinamide Mononucleotide Alleviates LPS-Induced Inflammation and Oxidative Stress via Decreasing COX-2 Expression in Macrophages. Front Mol Biosci. 2021 Jul 6;8:702107. doi: 10.3389/fmolb.2021.702107. PMID: 34295923; PMCID: PMC8290259.