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NMNは中高年者の睡眠の質を向上させる

ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)は、45歳から75歳の人に、短時間の睡眠でも深い眠りの時間を維持することができます。

ハイライト

  • NMNを12週間服用すると、睡眠の質のスコアが改善されました。 このスコアは、ピッツバーグ睡眠の質指標(PSQI)と呼ばれる睡眠検査で評価されます。
  • PSQI検測では、NMNを服用した被験者は、服用していない被験者により、眠りに入るまでの時間が短くなることが示されました。
  • スマートリストバンドを用いたテストの睡眠分析では、NMNを服用した人は、夢を見ている状態や深い眠りに入っている時間が長いことが明らかになりました。

 

睡眠の質は年齢とともに低下することが研究で明らかになっています。 睡眠には、夢を見る状態(急速眼球運動[REM])以外にも、浅い眠りから深い眠りまで、さまざまな段階があります。 REMの状態と深い眠りの時間は年齢とともに減少し、最も深い眠りの状態は60歳を過ぎて極端に減少します。 睡眠は免疫、認知、代謝に重要であるため、加齢による睡眠の質の低下は様々な加齢性疾患につながる可能性を持っています。 この問題に対しては、睡眠導入剤などの方法がありますが、眠気が長く続くなどの副作用があることが多く、新しい睡眠療法を探すことが特に重要です。

中国の南方科技大学の研究チームがAmerican Journal of Translational Medicineに発表した論文によると、NMNを服用すると、PSQI睡眠検査で判明したように、睡眠が改善されることが示されています。 また、NMNを服用した後、眠りに入るまでの時間が大幅に短縮されることもわかりました。 スマートリストバンド(Huawei Bracelet 6)のデータを分析した結果、NMNがREM状態と深い眠りの時間を増加させることがわかりました。 この研究結果は、NMNの摂取が加齢に伴う睡眠の質の低下に対抗できることを示唆しています。

NMNは中高年者の深い睡眠とREM状態の時間を増加させる

NMNが睡眠の質を改善するかどうかを調べるため、研究チームは45歳から75歳の中高年を研究対象に睡眠の質を評価しました。 12週間後、被験者が夜間の目覚めや不安など、睡眠に関するさまざまな睡眠に関するアンケート(PSQI)を受けました。 その結果、NMNを服用した被験者は、服用していない被験者により、スコアが高くなりました。 PSQIスコアのほか、NMN組では入眠時間も改善されました。 これらの結果は、NMNが中高年の睡眠の質を向上させることを実証しています。

(Zhao et al., 2022 | American Journal of Translational Medicine)

NMNは睡眠の質を向上させます。 NMNを服用した被験者は、服用していない被験者より、ピッツバーグ睡眠品質指数(PSQI)のスコアが有意に低く、よりよく眠れたことが示されました。 また、入眠に要する時間(睡眠潜時)に関するスコアも増加しました。 △=NMNを摂取していないグループに比べて、スコアが明らかに低くなりました。

PSQIのデータを確認するために、研究者はスマートリストバンド(Huawei Bracelet 6)が検出した睡眠状態の分析を行いました。NMNを補充する間、NMNを服用した組では、夜間の深い眠りと急速眼球運動の睡眠時間(REM睡眠)が明らかに長くなりました。 これらのデータは、PSQIデータの信頼性を強化し、NMNが中高年の睡眠を実際に改善することを実証しています。

 

(Zhao et al., 2022 | American Journal of Translational Medicine)

NMNは、深い睡眠時間を改善します。 NMNを服用していないグループ(黒線)よりも、NMN(赤線)を服用している参加者の深い睡眠(図C)の方が、総睡眠に占める割合が高いです。

研究チームは「NMNを服用すると、睡眠時間、深い眠りの比率、REM睡眠比率が増加し、浅い睡眠の比率、覚醒頻度が顕著に低下することがわかった」 と述べていました。

NAD+の増加により概日リズムが回復する

sirtuinsと呼ばれる長寿に不可欠な酵素は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)分子に依存し、体内の何千もの生体反応に重要な役割を担っています。 これまでの研究で、sirtuinsは概日リズムの調節に重要な役割を果たすことが分かっています。 sirtuinsはNAD+に依存しており、NAD+のレベルは加齢とともに低下するため、人間の概日リズムに悪影響を及ぼし、睡眠障害を引き起こす可能性があるのです。 このことは、高齢者のNAD+レベルを増加させるためにNMNを使用すると、睡眠パターンが改善されるかもしれないという理由の少なくとも一部を説明するものとなります。

今後の研究では、NMNに関連する睡眠改善効果が長く続くかどうか、また、時間の経過とともに改善し続けるかどうかを引き続き検証していくことが可能です。 また、高齢者の睡眠を改善することは、NMNが加齢に関連した症状を緩和する多くの方法の一つに過ぎないかもしれません。 NMNがどのような効果をもたらすかを明らかにするには、神経系、心血管系、代謝系の効果を調べる臨床試験をさらに何年も行う必要があるかもしれません。

ソース

ZHAO, B., Liu, C., Qiang, L., Liu, J., Qiu, Z., Zhang, Z., Zhang, J., Li, Y., & Zhang, M. (2022). Clinical observation of the effect of nicotinamide mononucleotide on the improvement of insomnia in middle-aged and old adults. American Journal of Translational Medicine6(4), 167–176.